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お客様名:某ベアリングメーカー様
件名:他社製エア駆動4 方切換弁(150A, JIS10K, FF, CS)4 台のリプレース案件 |
お客様の背景
20 年以上前に、当該バルブをアメリカより導入した。
流体はベアリングの研削水(井水に金属の切粉と砥粒が含まれている)。1 日に2 回切替を行っている。 このラインを止めると、生産システム全体が止まる重要なライン。
これまでトラブルなく使用してきたが、ついにグランドパッキンから水が染み出てきた。
修理したいが、当時のバルブの図面も残っておらず、メーカー情報も入手ルートも記録がなく、 修理依頼ができず困っている。 設置以来トラブルがなかったため、一度も外してメンテしたことがなく、今となっては内弁がどんな 形状か(ボール?プラグ?)、シート材質等も不明。
止められないラインのため、止めて中の状態を確認することができない。
このバルブに代わるバルブを製作してくれる国内メーカーを探している。
そこで、出入りしている商社に相談し、4 方切換弁として複数のバルブメーカーに引合いを出したところ、 数社より4 方ボール弁の提案を受けているが既存弁よりも外形寸法が大きく価格が合わない。
当社のご提案
当初、当社もソフトシートの4 方ボール弁を提案。シート漏れを封止するハイグレードな作りで、価格は高価なものとなった。
しかし、すぐにユーザー先での打合せを実施し、上記の背景をヒアリング、当該バルブの下見を実施。
結果、本ラインではシート漏れは大きな問題にはならず、それよりも止めることができないラインのためメンテナンスフリーで タフに動き続ける耐久性を重視されていることが分かり、シート漏れ量にシビアな設計から、 メンテナンスを最小限にする設計思想に変更し、コストを抑えた。
また、当該バルブの下見にて、かろうじて残っていた銘鈑から既存バルブのメーカーを調査し、当該バルブはボール弁ではなく プラグ弁であることを突き止め、プラグ弁に切り替えて再設計を行った。
流体に切粉及び砥粒が含まれるため、シール性よりも耐久性を重視したNBR のシール材を採用。
またポート内に砥粒等のオリが 溜まらないようポート底面が直線になるよう設計、バルブの外側(底面)にアジャストボルトを取り付け、稼働しながらでも プラグの位置(高さ)を微調整できる機構を付加した。
また、下見の結果、設置場所が大変狭くアクチュエーター含めた設置スペースが制限されることが分かり、 各バルブの設置スペース及び面間を個別に細かく採寸し、既存バルブの面間及び設置スペースを踏襲する形で設計。
結果
当初の4 方ボール弁よりコンパクトでコストを抑えた提案として、 シール部にNBR を焼き付けた4 方プラグ切替弁として再提案をした。
これまでの使い勝手を変えることなく、また面間も踏襲し周りの配管等に影響することなく 設置できるとのことで、工期も工事コストも大幅に削減できると大変喜んでいただき、採用となった。 |